2025年9月5日から6日にかけての週末、フランス北部 Hauts-de-France 地域の広域 e-Santé 支援機関 GRADeS Hauts-de-France(Groupement Régional d’Appui au Développement de la e-Santé)が管理する複数病院の共有サーバへのサイバー攻撃が検知された。
攻撃者は医療専門職のアカウント情報を詐称してサーバへの不正アクセスに成功し、当該サーバに保管されていた患者の本人確認情報を取得した。漏洩の可能性がある情報は氏名・生年月日・電話番号・メールアドレスなどの本人確認データに限られており、診療内容・処方情報・検査結果などの医療記録への影響は確認されていない。病院の診療業務・医療情報システムの通常稼働にも支障は生じなかった。
Hauts-de-France 地域保健局(ARS Hauts-de-France)は2025年9月8日(月曜日)に公式声明を発表した。同様の被害が Normandie・Pays de la Loire 各地域の公立病院共有サーバでも確認されており、各地域 ARS が CNIL(個人情報保護機関)・ANSSI(国家情報システムセキュリティ局)・警察に届出を行った。影響を受けた患者へは SMS・電子メールによる通知が実施され、フィッシング詐欺などの二次被害に注意するよう呼びかけられた。
この事案は単一病院のシステム侵害ではなく、複数の地域にまたがる共有インフラを標的とした攻撃であり、医療分野のサプライチェーン・共有基盤のリスクを示す事例として注目された。