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米ハワイ大学がんセンター、ランサムウェア攻撃で研究データを暗号化・窃取—社会保障番号含む約124万人に影響、身代金を支払い復号

2025-08-31US アメリカハワイ大学がんセンター(University of Hawaiʻi Cancer Center)(大学病院)

ランサムウェア

被害

データ暗号化情報漏えい恐喝・二重恐喝
漏えい件数約1,241,020件

疫学部門が管理する研究用サーバーへの不正アクセスが2025年8月31日ごろに発覚。攻撃者はファイルを暗号化するとともに一部を窃取した。影響を受けたのは、多民族コホート(MEC)研究の参加者や、1998年のホノルル市郡有権者登録記録・2000年のハワイ州運輸局運転免許記録(研究参加者募集に利用)に由来するファイルで、氏名・生年月日と組み合わさった社会保障番号(SSN)・運転免許番号、および健康関連の研究データが含まれていた。臨床診療・電子カルテ・治験部門・学生記録への影響はない。大学は窃取データの公開を防ぐため脅威アクターとの交渉に応じ、第三者専門家を通じて復号ツールを入手するとともに身代金を支払い、データ削除の確約を得た。二次的な情報の公開・悪用は確認されていない。最終的にMEC研究参加者87,493人、および運転免許・有権者登録記録等に由来する追加の対象者1,153,527人の計約124万人が影響を受けたと確認された。

タイムライン(経緯)

公表・確認済みの日付のみ。未公表の経緯は省略している。

  1. 検知・発覚
    がんセンター疫学部門のネットワークへの不正アクセスを検知。該当サーバーを直ちに隔離し外部専門家による調査を開始
  2. 公表
    ランサムウェア攻撃と研究参加者データの窃取をプレスリリースおよび州司法当局への届出により公表(対象者数は調査継続中のため未公表)
  3. 調査・報告
    ファイル精査が完了し被害範囲を確定。MEC研究参加者87,493人に加え、運転免許・有権者登録記録等に由来する追加対象者約115万人、計約124万人への影響を公表

実施した再発防止策

公表・確認済みの対策のみ。未公表の対策は省略している。

ハワイ大学がんセンター(University of Hawaiʻi Cancer Center)は、国立がん研究所(NCI)指定のがんセンターとしてハワイ州で唯一の存在であり、ハワイ大学マノア校の一部としてホノルルで研究・診療・教育を行っている。がん罹患の民族間格差の解明を主軸に、1993年から96年にかけてハワイとロサンゼルスで21万5,000人以上を追跡登録した長期疫学研究「多民族コホート(Multiethnic Cohort、MEC)研究」を運営することで知られる。

2025年8月31日ごろ、同センター疫学部門の研究用サーバーへの不正アクセスが発覚した。フォレンジック調査により、ランサムウェアグループがネットワークに侵入してファイルを暗号化するとともに、一部の研究ファイルを窃取していたことが判明した。影響を受けたファイルの多くはMEC研究に関するものだったが、氏名・生年月日と組み合わさった社会保障番号(SSN)を含む記録も存在した。これらのSSNは、1990年代当時に本人識別番号として広く使われていた名残で、2000年にハワイ州運輸局から収集された運転免許記録、および1998年にホノルル市郡から収集された有権者登録記録に由来し、いずれも研究参加者の募集目的で保管されていたものだった。臨床試験部門・患者診療・電子カルテ・学生記録への影響はないとされている。

窃取データの機微性の高さから、大学は脅威アクターとの交渉という難しい判断を下し、外部のサイバーセキュリティ専門家を通じて復号ツールを入手するとともに、データの公開を防ぐため身代金を支払った。窃取された情報がすべて削除されたとの確約を得ており、記録時点で情報の公開・不正利用は確認されていない。攻撃を行った脅威アクターグループの名称は公表されていない。

2026年1月15日、大学はプレスリリースおよび州司法当局への届出を通じて本件を公表したが、当時はファイルの精査が続いており対象者数は未確定だった。データの量・暗号化の複雑さ・記録の古さ(最も古いもので1990年代収集)から精査には時間を要し、2026年2月23日にMEC研究参加者87,493人へ通知書を郵送、同月27日の公式発表で運転免免許・有権者登録記録等に由来する追加対象者が約115万人に上ることを明らかにし、合計で約124万人が影響を受けたと確定した。連絡先が判明した約90万件のメールアドレス宛にも通知が送付されたほか、専用コールセンターを設置し、対象者には12か月間の無償クレジットモニタリングおよび身元盗難保険が提供されている。

大学は再発防止として、がんセンターのネットワーク再設計・強化、エンドポイント保護の拡充と24時間監視体制の導入、機密データへのアクセス制御強化、研究用サーバーの全学的なデータセンターへの移行、職員へのセキュリティ研修義務化、第三者機関による全学的なセキュリティ統制評価を実施した。また、研究関連のサイバーセキュリティを統括する新たな「情報セキュリティガバナンス評議会」と、全学的な「情報セキュリティタスクフォース」を設置し、ハワイ大学システム10キャンパス全体でのIT体制見直しを進めているとしている。

アクター特定できず深刻度重大信頼度確認済み

出典