LUP-Kliniken gGmbH は、ドイツ・メクレンブルク=フォアポンメルン州ルートヴィヒスルスト=パルヒム郡が運営する公立病院グループで、ルートヴィヒスルスト拠点(LUP-Klinikum Helene von Bülow、160床、基礎・標準医療提供病院)とハーゲノウ拠点(165床)の2病院からなる。
2025年2月9日夜から10日未明にかけてサイバー攻撃が発生し、郡は同日朝に警察へ通報した。両拠点は予防的に通信ネットワークから切り離され、多くのデジタル業務プロセスが通常通り行えなくなった一方、患者への適切な医療提供は継続された。救急外来は受入登録を一時停止したが、重篤な救急患者への対応は続けられ、患者の生命に危険が及んだことはないと郡は説明している。電子メールは長期間利用不能となり、MRI・CT検査も夕方以降は一部利用できない状態が続いたが、基幹システムと診断情報は無事だった。州刑事局(LKA メクレンブルク=フォアポンメルン)はコンピュータ妨害罪(刑法303b条)およびデータスパイ罪(同202a条)の容疑で捜査を開始し、サイバー犯罪専門部隊がデジタル証拠を確保した。同州データ保護監督機関も攻撃発覚直後から関与している。
その後の調査で、両クリニックの全データの約1.5%に相当する個人データが攻撃者の手に渡っていたことが判明した。窃取されたデータの多くは相互に関連付けが困難な断片的情報とされ、診断情報の窃取は確認されなかったが、氏名などの個人データが含まれていた。攻撃者は数百万ユーロ規模の身代金を要求したが、郡長シュテファン・シュテルンベルク氏は支払いを拒否すると表明した。郡は過去2年間で120万ユーロ以上をIT基盤・データセキュリティに投資しており、これが被害の拡大防止に寄与したとしている。2025年当時、メクレンブルク=フォアポンメルン州内で同年4件目となる同種のサイバー攻撃事案であった。
診療体制は2月中旬までにほぼ通常運航に復し、郡は2週間以内の完全復旧を見込むとした。攻撃者グループの特定には至っていない。