TriZetto Provider Solutions(トライゼット・プロバイダー・ソリューションズ)は、ITサービス大手Cognizant(コグニザント)の子会社として、米国の医療機関向けに医療請求・保険資格確認・電子請求ソフトウェアを提供するHIPAAビジネス・アソシエイト(BAA)である。年間400億件以上の支払い・登録・請求トランザクションを処理しており、全国の医療クリニック・地域医療センター・病院システム等が同社のプラットフォームを利用している。
2025年10月2日、TriZettoは同社の医療機関クライアント向けウェブポータルで不審な活動を検知した。同社は直ちにアクセスを遮断するとともに、サイバーセキュリティ企業Mandiant(マンディアント)を起用して調査を開始した。調査の結果、不正アクセスは2024年11月19日から始まっていたことが判明し、約11ヶ月にわたって検知されずに継続していた。TriZettoは「脅威アクターがシステムから排除され、検知以降は新たな不正アクセスは確認されていない」と説明した。
不正アクセスの対象となったのは、医療機関が患者の保険資格確認に使用するウェブポータルに保管された保険資格確認トランザクション関連データである。流出した情報には、氏名・住所・生年月日・社会保障番号(SSN)・健康保険加入者番号・医療提供者名・保険会社名・被保険者情報・医療データが含まれる可能性があり、影響範囲は個人によって異なる。
HHS/OCR(米国保健福祉省・公民権局)への報告では影響を受けた個人数を3,433,965人としたが、オレゴン・テキサス・ニューハンプシャー各州司法長官への開示のみで360万人超が示唆されており、実際の影響者数はさらに多い可能性がある。MercyOne(アイオワ州の医療システム)・San Francisco Community Health Center・Gardner Health Services等を含む44以上の医療機関がクライアントとして影響を受けた。本件はHHS/OCRの2025-2026年の調査対象として最大規模のHIPAA侵害の一つとなった。