クリニーチュキ・ボルニーチュキ・センター・ザグレブ(KBC Zagreb、ザグレブ大学病院センター)は、クロアチア最大の総合病院であり、約2,700床を有する国立の大学病院である。救急・外傷・複合疾患に対応する地域の医療中核施設として機能しており、ザグレブ大学医学部と密接に連携している。
2024年6月27日未明、KBC Zagrebのネットワークがランサムウェア攻撃を受けた。病院は感染拡大を防ぐために全情報システムを即座にシャットダウンし、救急患者を市内の他の病院へ転送する措置を取った。この間、医師・看護師は処方箋や検査報告書を手書きで対応することを余儀なくされ、「コンピュータ以前の時代に50年逆戻りした」と病院幹部が表現した。クロアチア警察・安全保障機関および100名以上のIT専門家が動員され、約24時間以内に主要業務の再開にこぎつけた。
同年7月2日、LockBitランサムウェアグループがKBC Zagrebへの攻撃を公式にリークサイトで主張し、患者・職員の個人情報・医療記録・臓器提供者データ・外部契約書等を含むデータを窃取したと発表した。LockBitは7月18日を期限に身代金の支払いを要求し、支払いがなければデータを公開すると脅迫した。クロアチアの内務大臣は身代金要求を把握していないと述べ、保健大臣はハッカーとの交渉を拒否すると声明した。期限後、窃取されたとされるデータはLockBitのダークウェブリークサイト上に公開されたと複数のメディアが報じた。
当局は攻撃が同時期にクロアチアの政府機関・金融機関を狙ったDDoS攻撃と関連しているか調査したが、NoName057(16)グループはKBC Zagrebへの関与を否定しており、2つの攻撃の関連性は確認されていない。